3Tのかっこいいエアロハンドル「Aeronova」に、電動アルテグラのSTIレバー(ST-6870)を取り付け、配線した時の様子です。
前回の続きとなります。
「3T」ハンドルバーのラインナップ
写真だけでは混乱しそうな3Tのハンドルバー・ラインナップですが、ネーミングにある程度規則性があります。
ハンドル形状による見分け方
- Aero~ 上ハン部分が平べったい。エアロ仕様。
- Ergo~ 上ハン部分断面が円ではなく卵型。
AeroNova | 上ハン部分がフラット | アナトミックシャロー |
AeroTundo | 上ハン部分がフラット | シャロー |
RoTundo | 伝統的なドロップハンドル | シャロー |
TorNova | RoTundoの上ハン断面が卵型 | シャロー |
ErgoNova | 上ハン部分断面が卵型 | アナトミックシャロー |
ErgoSum | ErgoNovaのリーチ長い版 | アナトミックシャロー |
そして各タイプにグレードがあります。
素材別による見分け方
- LTD 高級カーボンを使った最高グレード。
- TEAM カーボン製。
- PRO アルミ製。
色による見分け方
- 銀の挿し色 LTD
- 赤の挿し色 TEAM
- 黒の挿し色 STEALTH
- 白の挿し色 PRO
「TEAM STEALTH」や「LTD STEALTH」など、最後に「STEALTH」がつくとマット地に黒の挿し色になるようです。
「3T Aeronova Team Stealth」に「ST-6870」を取り付ける
私が購入したのは「3T Aeronova Team Stealth」というモデルです。
Wiggleのセールで購入したのですが、正規品なのでちゃんとライナーが挿入された状態で届きました。
このライナー管の有無で作業効率がかなり変わるとか…。ちょっとした生命線ですね。
マット地に黒のデザイン、まさにこのピナレロにぴったり。
購入した「ST-6870」と付属品です。
- STIレバー左右
- ブレーキインナーケーブル2本
- ブレーキアウターケーブル2本
- Di2工具 TL-EW02
- アウターキャップ・インナーエンドキャップ各2個
- 取扱説明書
エレクトリック・ケーブルを抜き差しするためのDi2工具「TL-EW02」も同梱されていました。
別途購入しないよう注意ですね。
ブラケットカバーをめくるとこんな感じです。
STIブラケットをハンドルに仮付けします。
同梱されていたブレーキ用アウターの型番は「BC-R680」です。
「3T Aeronova」にブレーキケーブルを通す
機械式ならシフト用・ブレーキ用と2本のアウターを通さなければなりませんが、電動コンポなのでブレーキ用アウターのみ。
Di2のエレクトリック・ケーブルはアウターより細いのでケーブル出入口に余裕ができ、通常より楽なはずです。
ケーブルを通す作業の原則として、常に「ライナー管、インナー、アウター」のいずれかのケーブルが通った状態でハンドルに残ること。これが大切です。
作業の目的は2つです。
- ブレーキのアウター&インナーをハンドルバーの中に通した状態にする
- アウターの長さを決める(前後2本)
(1)「ライナー管」に「インナー」を通す(ライナー → ライナー+インナー)
レバーを握ってブレーキインナーの挿入口を出します。
タイコの収納口からインナーケーブルを通してブラケット内を通過させ、そこからハンドルを通るライナー管に挿入します。
ライナー管は左右2本ずつありますが、もう1本がエレクトリック・ケーブルの場合は、特に意識しなくても問題ないと思います。(意識して行いましたが、最後はグダグダになりました。)
ただし機械式の場合はアウター2本がキツキツ状態で収まるので「内側のライナーをブレーキ、外側をシフト」というように意識して作業しないと、配線がクロスしたまま戻せなくなるようです。
(2)「ライナー管」を抜く(ライナー+インナー → インナー)
ここでライナー管とはサヨナラです。後は「インナー」と「アウター」を交互に残して作業すればOKです。
(3)「インナー」に被せる形で「アウター」を通す(インナー → インナー+アウター)
インナーケーブルの端からアウターケーブルを挿しこんでいきます。
ブラケット手前の出口で引っかかるので、ピンセットがあると便利です。
(4)「ブレーキ用アウター」の長さを決める
フロントはキャリパーブレーキのアウター受けまでの長さで、無理のないカーブを描くようにした状態で切断します。
前ブレーキのアウターの長さについては、ハンドルを切っても引っ張られないのでそんなに神経質にならなくてもいいですよね?
問題は後ろブレーキのアウターの長さです。
このフレームの場合、トップチューブ左側にアウター受け(穴)があり、ヘッドチューブと擦れにくい構造です。
それでもハンドルを大きく右に切った時はヘッドチューブと擦れます。
初めに切った際、見た感じタイトではなかったのですが、ハンドルを右に切ってリアブレーキを掛けた時だけインナーが引っ掛かる状態(上の写真の時)になってしまい、最終的に少し長め(2cm位?)にしてアウターを切り直しました。
5cmとか余裕を見すぎると今度はアウターが突っ張ってしまい、フレームのアウター受けに収まりにくくなるのでさじ加減が難しいです。
このような点に注意して、前後のアウターの切断位置を決め、目印になるテープなどをつけておきます。
(5)アウターケーブルを切断する
アウターの長さが決まったらその位置で切断するわけですが、2つやり方があります。
(方法1)「インナー」を途中(切断位置より手前)まで抜いて切断
- メリット ハンドルバーにアウターをくぐらせる手間が1回少なく済む。
- デメリット 誤ってインナーを切ってしまう可能性あり。ダミーのインナーを使えないので切り口が潰れる。
(方法2)「アウター」を完全に抜いて切断
- メリット ダミーのインナーを入れて切断できるので、切り口が潰れにくい。
- デメリット 切ったアウターを再びハンドルバーに通さなければいけない。
私は2の方で行いました。アウターを切り直したため何度もハンドル内を出し入れしたので、アウター被膜に傷がついてしまいましたが…。
断面を「くじり」と「金やすり」を使って整えます。
太さがほぼ一定の「千枚通し」より、根元に向け太くなる「くじり」の方が使いやすいですよね。
一応「ダイヤモンドやすり」なるもので削ったのですが、ブレーキ用アウターは被膜下のワイヤー層が螺旋状なので断面がきれいになりにくい感じです。微妙に金属の切れ端が飛び出てしまいます…。
(参考)えふえふブログ http://ff-cycle.blog.jp/
(6)前輪用は「インナー」をキャリパーブレーキに固定して完了
切ったアウターを再度通し、インナーをキャリパーブレーキに所定の方法で固定して前輪用は終わりです。
インナーケーブルは最終調整に備えて切らずにおくか、暫定的に長めに切っておいた方が安全です。
(7)後輪用は「トップチューブ後方穴~キャリパー」までのアウターを切断した後固定
本来は付属の「ノーズ付きアウターキャップ」を使うのですが、前所有者さまから代わりのパーツを譲り受けたのでそれを使いました。付属の物よりノーズが長いです。
ハンドルバーから伸びるインナーワイヤーを、トップチューブ内を貫くライナー管に通します。
最終的には
「①アウター(STI~トップチューブ前方穴)」+「②前方アウターキャップ」+(内装区間・露出)+「③後方アウターキャップ」+「④アウター(トップチューブ後方穴~キャリパー)」
といった状態のところをインナーワイヤーが貫くことになります。
「①+②」を付けた状態でインナーを、トップチューブのライナー管に挿入します。
インナーがトップチューブを通過したら、ライナー管を抜き取ります。
③と④を組み合わせ、④の長さを決めて切断し、断面をやすり等で整えます。
③と切り出した④をインナーに通し、インナーをキャリパーのアウター受けを通したのち固定して仮付け終了です。
文章にするとややこしいですが、ここまでくれば要領はわかってくるのでスムースに進むと思います。
「3T Aeronova」にエレクトリック・ケーブルを通す
ハンドルバーに左右それぞれ1本ずつ残っているライナー管を使ってエレクトリック・ケーブルを通します。
巻尺で図って40cmの物を2本頼みましたが、丁度いい長さでした。
コツとしては、ステム側からエレクトリック・ケーブルを通すことです。
STI側の穴から通そうとすると、ステム側の穴がタイトなので引っ張り出すのが困難です。
逆にステム側の穴からエレクトリック・ケーブルを押し込んでやると、簡単にSTI側の穴から出てきます。
エレクトリック・ケーブルのSTI側の端子をブラケットの端子口にDi2工具を使って押し込み、接続します。
ブラケットの上から端子部分を抑えると、端子口が引き起こされ、差し込みやすくなります。
この際シマノのマニュアルにあるように、ケーブルを曲げて長さに「ゆとり」をつくっておき、その状態で後ほどバーテープを巻きます。
次回はチェーンの取り付けとDi2機器の選定について書きたいと思います。
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