初めて「しまなみ海道」をサイクリングする方の目安になるよう、「走行距離と時刻」の記録にまとめました。
途中で「うさぎ島」こと大久野島へフェリーで往復という寄り道を含んでいます。
ロードバイクに乗り始めて7年目にして、ようやく「しまなみ海道」を走ることが出来ました。
去年に乗鞍スカイラインを初めてヒルクライムしたことに続く、サイクリストの聖地デビューです。
いきなりですが、しまなみ海道を初めて走った感想を。
素晴らしさはたくさんの人が語っているので、自分なりの注意点を挙げてみました。
- 1日だと満足に観光できない。
- 距離に対して意外と時間が掛かった。
- 高所恐怖症の人は要注意。
0. 日程
しまなみ海道を走るにあたり、二泊三日の旅行プランを立てました。
- 1日目…尾道駅まで輪行、しまなみ海道走破。今治駅から松山駅まで輪行、松山泊。
- 2日目…松山市近辺を観光ライド。松山2泊目。
- 3日目…フェリー輪行で広島へ。宮島と広島市内を観光し、夕方に新幹線で帰路へ。
GW中なのでホテルこそ2泊分押さえたものの、2日目以降は帰りの新幹線も予約せず、行き当たりばったりな旅行です。
1. 新幹線輪行について
新幹線輪行といえば少し前に、車両最後部の座席の後ろ、輪行袋を置く定番の場所が「特大荷物スペース」として予約が必要になったことが話題になりました。
GWに出掛けるにもかかわらず、週間天気予報とにらめっこして予約に動いたのは2日前。
希望する列車とその後3時間ぐらいまでの「特大荷物スペース付き座席」は既に埋まっていました。
みどりの窓口の人に自由席で輪行袋を持ち込むことについて確認したところ、乗車拒否はされないとの返答。
他のサイトにあるように、「輪行袋は特大荷物に該当しない」からです。
一方で特大荷物に該当する場合は自由席であっても持ち込むことはできません。特大荷物スペース付き指定席の確保必須です。
先人の苦労の末、今こうして恵まれた条件で輪行できることに感謝です。
自由席のデッキで立つことになるかもしれませんが、乗車できることは確認できました。
あとで新幹線の予約アプリ「スマートEX」で空き状況を再確認したところ、
幸いにも予定していた「のぞみ」より早い出発の「ひかり」のグリーン車に最後部座席を予約できました!
東海道新幹線の予約サービスである「エクスプレス予約(EX予約)」が年会費有料なのに対し、こちらの「スマートEX」は無料です。
サイクリングの途中にスマホから予約できるので、駅に到着してから慌てて窓口に並ぶ必要がなく便利です。
下はアプリの操作イメージです。
2. 尾道駅からスタート
7:25 名古屋駅
↓ ひかり533号(グリーン車・16970円)
9:30 福山着
9:38 福山発
↓ 山陽本線(420円)
9:57 尾道駅着
福山で在来線に乗り換え、スタート地点「尾道駅」に到着です。
早朝に名古屋を出て、10時に尾道に到着しました。
最短ルートでゴールの今治までの距離は約80km。時間は十分だと思いました。(この時は)
予め行きたい場所をチェックしておき、当日時間と相談しながら回るつもりでした。
以下は実際に訪れた場所です。
各島でいろいろリストアップしていたのですが、全然回れませんでした。
- 向島(むこうじま) … (スルー)
- 因島(いんのしま) … 白滝山(五百羅漢)、はっさく工房まつうら、大山神社(自転車のお守り)
- 生口島(いくちじま) … (スルー)
- 大三島(おおみしま) … サイクリストの聖地(記念碑)、大久野島へ渡る(うさぎ)
- 伯方島(はかたじま) … (スルー)
- 大島(おおしま) … (スルー)
この中で時間的な制約があったのは「うさぎで有名な大久野島を訪れる」イベントです。
しまなみ海道からだと、大久野島へは「大三島の盛港(さかりみなと)」からフェリーに乗る必要があります。
そのフェリーの本数が限られていて、スケジュールに組み込めそうな便は
(盛港→うさぎ島)13:35発 または 14:40発
です。どちらかに間に合うように走る必要がありました。
道路を挟んだ駅の反対側が「向島行き渡し舟」の乗り場です。
この間の橋は狭くて危険らしいので、舟で渡るのが定番らしいです。
舟は12分毎に出ています。
運賃は乗船中に現金で払います。
おじさんが徴収に回ってくるので、小銭を用意しておきましょう。(大人100円+自転車10円=110円)
2.1 向島
数分で向島に到着しました。この時点で10:45ぐらいでした。
写真をたくさん撮りたいのですが、頻繁に止まっていると時間が押してきます。
因島大橋へ突入し、向島を後にします。
因島大橋(向島→因島)通過中、時刻は11:23です。
2.2 因島
因島フラワーセンターの裏手にある「白滝山 五百羅漢」に登ります。11:35
勾配表示が「15%」ですが、ダンシングしっぱなしで足つきなしでクリア。標高は約160mでした。
サイクルラックに駐輪して、徒歩で更に登ります。11:50
シマノのスニーカーみたいなSPDシューズ「CT5」だったので良かったのですが、普通のビンディングシューズでは登りたくない路面と勾配でした。
標高200mぐらいですが、360度見晴らしは良かったです。12:04
下山して生口橋のたもと近くにある「はっさく工房 まつうら」でフルーツ大福を購入。
定番の「はっさく大福」と期間限定の「夏れもん大福」をチョイス。
甘夏をれもん餡で包んだ後者がとても美味でした。
この時点で13:00ちょうど。13:35発のフェリーは無理なので、14:40必着です!
橋を一旦スルーして、反対側の「大山神社」へ。
自転車のお守りを授かれるサイクリスト定番の神社です。
自転車神社の大山神社は因島にありますが、大三島にも「大山祇神社(おおやまづみじんじゃ)」と似たような名前の神社があるのでご注意を。
「ろんぐらいだぁす!」関連のアイテムが飾ってありました。
リングタイプのお守りをさっそく装着。
神社を出たのが13:30。ちょっと焦ってきました。
2.3 生口島
生口橋(因島→生口島)渡って生口島に上陸、13:45。
途中でジェラート屋さんに立ち寄るつもりでしたが、時間的余裕がない上に行列が出来ていたので諦めました。
生口島の反対側、多々羅大橋たもとにある国産レモン発祥の地「レモン谷」に到着。
まだ橋を渡っていないのに14:24。絶望を感じつつ大三島へ…。
2.4 大三島
多々羅大橋(生口島→大三島)を通過。
橋を渡り切った所でタイムアップ!14:40、ちょうど出航の時刻です。
もう1本後の便は15:50発です。
この便で渡っても、戻りの最終が16:39発なので滞在時間が30分ぐらいしかありません。
とは言うものの、せっかくここまで来たのだから訪れたい!
次の便に乗るべく盛港へ向かうことにしました。
ここには「サイクリストの聖地の記念碑」という定番スポットがあるのですが、後で立ち寄ることにしました。
3.うさぎの楽園「大久野島」へ
5kmほど走ると盛港が見えてきました。
そして、なぜかフェリーの姿があり、まだ多くの人が乗船待ちで並んでいます。
なんと繁忙期のせいでダイヤが乱れ、14:40発のフェリーが遅れていたのです!
慌てて乗船チケットを買いに窓口へ。(自転車込みで往復960円)
ちなみに「うさぎ島」の島内では餌は一切販売されておらず、餌やりをしたいなら島外から持ち込む必要があります。
この時点で14:55でした。
自転車を押して乗船です。
念願のうさぎ島こと大久野島へやって来ました!
大久野島のポイントですが、
- 島周回で約4km。
- 自転車は時計回り。
- 島の北部にちょっとした登り坂。
自転車なら、うさぎと戯れても1時間あれば一周できると思います。
かつて毒ガス兵器の施設があり、その遺構が島内に点在しています。
皆さん熱心に歴史的なものに見入っているようですが、
近づいてみると、だいたい兎にご執心ですw
人慣れしていて、近寄っても逃げません。
場所によっては幼い兎も見れます。ちっちゃーい!
廃墟マニアにもお薦めです。
島内を堪能した後、16:39発盛港行きのフェリーで帰ろうとしたのですが、なんと定刻より30分以上遅れての出航!!
来た時は幸いした遅延ですが、特大のブーメランになって返ってきましたw
【教訓】フェリーのダイヤが乱れていることもあるので、時間ギリギリでも諦めない!
4. ひたすら今治駅を目指す
大三島の盛港に戻ってきました。17:30
イメージから遅れに遅れ、今治駅からホテルを予約した松山駅までの終電を気にしないといけないレベルです。
外せないスポット「サイクリストの聖地の記念碑」で証拠写真をパシャリ。
この時17:56でした。まじでヤバい。
4.1 伯方島
大三島橋(大三島→伯方島)を渡って伯方島に突入。
「伯方の塩」で有名な場所です。
塩ラーメンを候補に入れてましたが、そんな余裕はありません。
今治まで残り31km、時刻は18:16。
時速20kmなら、20時にはゴールできそう?
道の駅も閉店後で人もまばら、観光地らしい雰囲気はありません。
サイクリストも数人見た程度。
辺りもだんだんと暗くなり、吊り橋を渡るとき以外は「オレ、今しまなみ海道を走っている!」感は皆無でした。
ストイックなサイクリングに突入。
4.2 大島
サンセットを眺めながら伯方・大島大橋(伯方島→大島)渡り、大島に上陸。
下の写真の時で18:44。
文字通り大きい島なので、通過するのに時間が掛かります。
途中そこそこのアップダウンも有りました。
今治まで残り16km、時刻は19:17。
この時点でもイメージより遅れ気味。ヤバいヤバい。
大島にはフォロワーさんに教えていただいた「亀老山展望公園」という絶景ポイントがあったのですが無念のスルー。
ひたすら南下して行きます。
最後の橋、大島と四国今治を結ぶ「来島海峡第一大橋&第二大橋」が見えてきました。
ライトアップされていて、とても綺麗!!
大阪・神戸から出航して九州や海外へ向かう船のほとんどがここを通過する、海の大動脈に架かる橋です。
海岸から月を含めてもう一枚。偶然にしてはナイスタイミング。19:33
しかし見る分には美しく迫力満点の橋ですが、高所恐怖症の自分にとっては「とても長く、とても高い」苦行の橋でもありました。
日没後で海面が見えにくいのが幸いしました。昼間だったら、途中ですくんで動けなくなっていたかも…。
4.3 四国上陸
四国に上陸してしばらくすると路肩にある水色のガイドラインを見失い(そもそもない?)、道路標識を見ながら今治駅へ。
20:20、今治駅到着です!
1時間に1本の「特急しおかぜ」に乗車。終電より早い列車に間に合いました。
21時半過ぎに松山駅に到着。
輪行状態のままタクシーに乗り、無事ホテルにチェックインできました。
5. しまなみ海道サイクリング総括
昼前から夜にかけて「しまなみ海道」をサイクリングしたわけですが、そこそこ観光するならもっと時間が必要でした。
平地メインならグロスで時速20kmぐらいだろうと思っていたのですが、甘かったですね。
もっともミラーレスを携えての頻繁な撮影と、うさぎ島訪問の3時間が影響しているのは間違いないですが…。
朝から晩まで丸二日あれば、満足度の高い観光ライドができそうだと思いました。
- 今治に宿を取って新幹線輪行を使えば、東海地区からでも一泊二日でしまなみ海道往復が出来そう。
- 橋にアクセスするループでスピードを出せない等あって、平地なのに普段より平均速度は遅くなりがち??
- うさぎ島へのフェリーの時刻は乱れることがある。
- 高所恐怖症の人は吊り橋がネック。
6. おまけ
2日目、3日目の要約です。
6.1 松山市内からインスタ映えスポット「下灘駅」に行ったよ!
2日目は松山市内から約30kmの離れた場所にある「下灘駅」までサイクリングしました。
ドラマやアニメなどのロケ・設定で有名な駅です。
波打ち際に駅があると思っていたのですが、実際は海岸よりも離れた高い場所にあります。
下灘駅までの海岸線の道も、とても眺めが良くてお薦めです。
松山駅まで輪行で帰りました。
6.2 観光の幅が広がる「松山~広島」のフェリー輪行
3日目に松山市から広島市までフェリーで輪行しました。
瀬戸内海汽船が運航している「スーパージェット」という高速船だと1時間強で移動でき、サイクリングルートの選択肢が増えるのでお勧めです。
広島港で船を乗り換え、宮島を観光しました。
新幹線で広島まで来て、その先フェリーで松山にアクセスするのは意外と盲点かもしれません。
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